原告に対する不当な任用拒否に抗議を!
2009 / 02 / 19 ( Thu )

★国連女性差別撤廃委員会の日本審査にレポート提出★

(2009年7月)

2009年、7月に国連の女性差別撤廃委員会による第6回日本審査が、ニューヨークで開かれました。

今回は、特に第8項目が、自衛隊の性暴力に関連する項であったことから、女性自衛官の人権裁判を支援する会として、「自衛官等による女性に対する暴力事案への法的不整備」のレポートを提出しました。

審査は最初に日本政府側が日本の現状、改善してきた点などを定期レポートとして提出します。それに対して、40を超える団体がJNNC(日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク)としてまとまり、日本審査担当委員にあらかじめ、このような問題があるとNGOレポートを作り、委員たちにも要望しました。

ニューヨークで開かれた審査の際には、JNNCの声を聞く場(10分に凝縮したものです)場ももたれました。支援する会は現地参加はできませんでしたが、多くの人がNYに出かけ、日本審査そのもの一部始終を傍聴しました。

委員たちは、質問に対する日本政府の返答が以下のものです。
今後、裁判などにも反映させていきたいと思います。

国連の女性差別撤廃委員会による日本政府に対する質問

問8

拷問禁止委員会は、前回の最終見解において(CAT/C/JPN/CO/1、パラ25参照)、「基地に駐留する外国軍人を含め、軍人による女性及び女児に対する暴力を予防し、かつ、犯罪者を訴追するための有効な措置がないこと」に懸念を表明した。この懸念に対応して取られた措置を具体的に挙げられたい。



日本政府の回答

拷問禁止委員会が、前回の最終見解において表明した「基地に駐留する外国軍人を含め、軍人による女性及び幼児に対する暴力を予防し、かつ、犯罪者を訴追するための有効な措置がないこと」の懸念は、明らかな誤解に基づくものである。

我が国では、自衛官等による女性及び女児に対する暴力事案に関する訴追等の手続は、一般人による同種事案と何ら異なることはなく、これまでも、検察当局において、法と証拠に基づいて、適切に対処しているところである。

また、防衛省では、部内の秩序維持に専従し、自衛官等の犯した犯罪、自衛隊の使用する船舶又は施設内における犯罪等について、刑事訴訟法の規定による司法警察職員として職務を行う自衛官を配置している。

外国駐留軍関係者による軍人、軍属及びそれらの家族を除く女性等に対する暴力事案についても、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」(日米地位協定)に基づき日本が第一次裁判権を行使することとされており、一般人による同種事案と何ら異なることはなく、被疑者の訴追等を適切に実施している。
なお、自衛隊員が高い倫理観を保持することは、自衛隊が国民の期待と信頼に応え、適切に任務を遂行していくために必要不可欠である。このため、防衛省では、自衛隊に相応しい隊員を育成するための教育に努めており、女性等に対する配慮を含む人権に関する教育もその一環として行っている。
具体的には、防衛大学校、防衛医科大学校や各自衛隊幹部候補生学校等の教育課程における基本的人権の尊重等の日本国憲法についての教育、自衛隊の各種学校等の教育課程における人格の尊重等に関する教育、その他幹部自衛官等に対する国際人道法や人権について教育等を実施しているところである。

外国駐留軍関係者による事件・事故等について、平素から、軍人教育や綱紀粛正の徹底を図る等、様々なレベルから申入れを行っており、在日米軍においては、従来より基地外への夜間外出制限や特定の地域や店舗に対する一時的な出入り禁止及び米軍人に対する研修・教育プログラム等を実施している。
特に、米軍専用施設・区域の約74%が所在する沖縄県においては、国、米軍及び沖縄の地方公共団体等関係者が協力して事件・事故の防止に取り組むため、これら関係者で構成する「事件・事故防止のためのワーキング・チーム」の場で具体策につき、地元関係者や米側とともに、緊密に協議を行っている。


女性自衛官の人権裁判を支援する会の提出したレポート

自衛官等による女性に対する暴力事案への法的不整備(質問8関連)


[問題点]

1.自衛官等による性暴力について、実効性のある救済整備がされていない。

2.自衛官の権利行使を理由とした再任用継続拒否と解される事実における不服申立ての途が閉ざされている。

3.1,2に関連し、自衛隊との交渉や手続きに際して、弁護士が代理人として手続等に関与することが認められていない。

[求める勧告]

日本政府は、自衛官等による性暴力や解雇権の乱用などに対し、一般人と同様の人権が保障されるよう、第3者機関等による実効性のある救済制度を早急に整備するべきである。
また人権侵害に関する訴えや交渉、手続に際して、弁護士が代理人として関与できるという当事者の基本的な権利は当然認められるべきである。

[バックグラウンド/説明]

2007年に提訴され、現在進行している、基地内での女性自衛官に対する、セクシュアル・ハラスメントとその後のパワー・ハラスメントの民事裁判で、以下の問題が明らかになっている。

・被害を訴えた当事者の安全確保として、本人の希望に沿った安心できる医療的措置の保障、加害者の接近を許さない措置、勤務軽減、信頼できる捜査手続きなど直ちにとられるべき適切な対応が欠如し、さらなる2次被害を惹き起した。

・事件後、被害者の側が行動制限を受けたり退職強要を受けた。民事裁判提訴後は、排斥、いじめが続き、航空自衛隊では、過去8000件で2例目というほとんど例のない任用拒否が行われた。

・第1次捜査権は、自衛隊の内部組織である警務隊が持っており、確立されている一般の警察の性暴力事件の取り扱いに則っていない捜査が行われている。そのため、捜査が自衛隊の体面を守ることを第一義としたものとなり、被害者の人権回復という目的は顧みられていない。

・非行行為等に対する審査や、任用許諾などの人権にかかわる審査などが、すべて各部隊の責任で行われ、外部の関与は許されない。審査を受ける側は、自らの人権を守るための代理人を外部弁護士に依頼することが許されない。

・審査結果などへの異議申し立てを行おうと考えても、理由の開示請求も認められず、不服申立ての方法もない。





ご協力、ありがとうございました。(5月18日)

原告自衛官への再任用拒否に際して、署名へのご協力、ありがとうございました。全国から、署名・FAXをお寄せいただいた皆さんに、心から御礼も仕上げます。

みなさまから寄せられた署名は、3月3日に防衛省の教育局長に手渡したほか、3月20日までの防衛省へ届けました。
しかし、防衛省からは、ついに任用拒否の理由開示、撤回はなく、原告は、期日の3月21日をもって退官しました。

以下、経過をご報告します。

■防衛省申し入れと国会質疑

3月3日の防衛省への申し入れに、議員の抗議・要請文に賛同した30名の国会議員のうち、民主党、共産党、社民党の国会議員11名と、弁護団、支援の会代表が参加しました。防衛省側も、人事教育局長以下、10数名が並びました。

「政府の解雇権乱用だ!」「人事教育部長として事前に指導したことはあるのか?」
「公務員の人事基準から見ても遅れている」「自衛隊は異常な集団とみなされます
よ。」と国会議員の厳しい追及に、時間も予定の15分を30分超えて、45分にわたっての交渉になりました。

弁護士も空自の「継続任用不適格者基準」のどれに当てはまるのか?
裁判中であることやそれにかかわる言動としか推察されない、それは、憲法32条の裁判を受ける権利の重大な侵害である、と詰めました。

支援する会もみなさんからの署名を提出し、「自衛隊の中に、彼女の生活も、人間関
係も、仕事も、すべてがあった。通信の大学を働きながら卒業するという将来も、理由もい
わずに奪い、放り出すような事を自衛隊、国がしてよいのか?」と迫りました。

対して、渡部厚人事教育局長は、「理由は、裁判ではない。個人情報で開示できない」「不服申し立ての機関はない、弁明も聞かない」と繰り返すのみでした。

谷岡議員が外交防衛委員会で、風間議員が予算委員会で、この問題を取り上げ、質問をしました。

■退官

防衛省からは任用拒否の理由開示、撤回はついになく、3月18日に「継続任用拒否内定に異議をとどめて退職手続きを行う通知」を出して手続きを済ませ、期日の3月21日をもって、原告は退官となりました。

■これから

1)任用拒否の件について
原告と話し合いながら、今後の対応を検討しています。性暴力に関わる裁判も、今後、証拠調べなどが始まるはずですので、原告に過剰な負担になることはさけ、対応していきたいと考えています。

2)原告のこれから
 引越しも終え、求職活動中です。不安を抱えながらも、通信大学を続け大学を卒業する、子持ちも整理しながら裁判にも改めて向き合ってゆく抱負を語っていました。
 私たちは、原告の裁判の支援と共に、生活の面からも支援する体制を作っていかなくてはならないと考えています。今後とも、みなさんのご協力、ご支援心からお願いいたします。

■参考資料:再任用拒否の数

15年度から19年度までの5年間で、本人が継続任用を志願したが任用されなかった人数/志願者数です。

議員を通して明らかにされました。再任用を志願したのに認められなかったのは、過去5年間で、陸自ではゼロ、海自では3年前からひとりずつ昨年は4人、空自は1人だけ。今回の扱いがいかに異例であるかがよくわかります。



    15(02)   16(03)   17(04)  18(05)   19(07)
陸上 0/8679   0/8060   0/7830   0/7898   0/10427
海上 0/1285   0/1488   1/1160   1/1109   4/903
航空 0/1892   1/1766   0/1663   0/1500   0/1367




抗議署名・FAXのお願い(2月16日)

1月30日、次期も自衛隊での勤務を希望していた原告に対し、自衛隊は再任用を拒否し、3月21日をもって、退職と通告してきました。

健康診断もクリアし、職務も問題なく遂行していた原告の勤務態度に落ち度があったとは思えず、自衛隊は、再任拒否の理由すら明らかにしません。原告が知る限りでも、所属基地で、再任用拒否になった自衛官は今までにいません。

前日の1月29日には、通信大学に通う原告の4月からの勤務についての打ち合わせも行われていました。5年間の自衛官としての存在を突然に切り捨てられ、理由も示されず、弁明の機会も与えられないことに、原告はショックを受けています。仕事も生活も誇りも将来計画も、すべて奪うひどいやり方です。

この再任用拒否は、著しく適正を欠く手続きであるばかりか、もし原告の裁判、もしくは裁判に関わる言動を問題にした任用拒否であるならば、憲法32条で保障された裁判を受ける権利に対する重大な侵害です。

弁護団と支援する会が、2月16日の記者会見で発表した抗議文をご一読いただき、ぜひ、抗議のメール署名、または、FAXを送っていただくようお願いいたします。

また、併せて、物心両面でのご支援を重ねてお願いいたします。



署名はいずれも、期日を第1次、3月2日まで(防衛省に出向く予定)、第2次、3月19日までにお願いします。


1)メールでの署名の集約

以下の内容をご記入の上、jinken07★hotmail.co.jpまで、お送りください。
(★を@に変えて、送信してください)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<件名> 任用継続拒否抗議に賛同します
お名前(               )
※所属(あれば)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2)Faxでの抗議文の送付先



・北部航空警戒管制団司令 早坂 正 空将補
  TEL:0176(53)4121 交換が出るのでFAX番号 2619に切り替えてもらう

・防衛省 航空幕僚監部 外薗健一朗 幕僚長
  FAX:03(5362)4816(広報課)

・浜田 靖一 防衛大臣
  FAX:03(5362)4816(広報課)

*記者会見で発表した抗議文の中に書かれているFAX番号と異なりますが、03(5362)4816をFAXにお使いください。

3)原告と裁判の支援のため、募金にご協力ください

【銀行振込口座】
北洋銀行 北7条支店 普通 3859062
名義:女性自衛官の人権裁判を支援する会

【郵便振替口座】
口座番号:02770-1-64969
口座名称:女性自衛官の人権裁判を支援する会

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